外国人材【特定技能・技能実習生】に自動車運転免許を取得させることはできるのか?

外国人材に自動車を運転させることはできるのかといった相談を受けることが多くあります。
結論からいうと自動車の運転をさせることはできます。
ただし、外国人材のビザの種類、技能実習生や特定技能といった場合には関与する監理団体、登録支援機関の方針により運用は異なります。注意してください。

外国人材が日本で自動車を運転できるようになる方法は3つ

外国人材が日本で自動車を運転できるようになる方法は3つ

外国人材が日本で自動車を運転できるようになる方法は3つ

  • 日本で運転免許を取得する
  • 国際運転免許証を取得する(有効期限は1年)
  • 外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える(日本で働く外国人材の大半は母国の運転免許証を切り替えるケース)

今回は③外国運転免許証からの切り替えを紹介します。実際に弊社のベトナム人社員のタンくんがベトナムで取得した運転免許証を日本で切り替えた経験を基に解説していきます。

まずは母国で取得した運転免許証が本物か偽物か確認しましょう

最初のステップは本物の運転免許証であるか確認

まれに偽物の運転免許証を申請する不良外国人もいるらしいです。ウソみたいな話ですが弊社のタンくんが免許センターに行ったときに偽造の運転免許証を申請した中国人が逮捕されてました。
最悪なのは偽造の運転免許証が発覚すると、その外国人材は運転免許証の取得がかぎりなく不可能になるので注意してください。

①どこの運転免許試験場もしくは運転免許センターで手続きをするか事前に確認する

運転免許試験場は場所によって外国語対応が違います。

外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える手続きは、運転免許試験場もしくは運転免許センターで行います。府中運転免許試験場・鮫洲運転免許試験場は、全ての外国等の運転免許証をお持ちの方が手続き可能です。運転免許試験場、運転免許センターによって対応やオペレーションは違います。事前に電話連絡をしてから、どこの国の運転免許証を切り替えるのか窓口で確認してから行きましょう。

➁書類審査

母国で取得した運転免許証と運転免許証の日本語翻訳文を添付して運転免許試験場もしくは運転免許センターにて書類審査をします。

外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える際に必要な書類一覧

  • 申請書(試験場にあります)
  • 写真(3×2.4cm)×2
  • 本籍(国籍)が記載された住民票1通(コピー不可、マイナンバー記載なし)
  • 在留カード
  • 旅券(パスポート)
  • 外国で取得した運転免許証
  • 外国で取得した運転免許証の日本語翻訳文

外国運転免許証の日本語翻訳文はJAFが提供しているサービスを使うのが一般的です。

(https://jaf.or.jp/common/visitor-procedures/switch-to-japanese-license)
発行料金は3000円。現在はコロナの影響で即日発行はしていません。郵送で1~2週間程度を要します。

上記の書類を取りそろえて母国の運転免許証と日本語翻訳文を運転免許試験場もしくは運転免許センターに持っていくと、早いところであればその日のうちに本物か確認してもらます。
運転免許試験場、運転免許センターによっては外国で取得した運転免許証の切り替えを受け付けている曜日や日時を指定している場所もあります。注意しましょう。

母国で取得した運転免許証が正規なものであるのか確認でき書類審査を通過すると次に適性検査を受けます。

※日本語能力が高くない外国人材には母国語の通訳者の同席が求められます。以降の手順も、通訳者の同席がすべて必要になります。

③適性検査

視力検査を受けます。両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上

一眼の視力が0.3に満たない方、もしくは一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であることが求められます。その他にも色彩識別能力テストがあります。赤色、青色及び黄色の識別ができることが求められます。

④知識確認の試験

学科試験

一般的な交通ルールの確認が行われます。事前に勉強すればまず合格できるレベルです。知識確認はすべて選択式で回答します。10問中7問以上を正解すれば合格です。

外国語で受けることもできます。英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語などがあります。希望の言語で受けられるかどうか、各都道府県の免許センターで事前に確認しましょう。県別で外国語に対応している一覧表を作成しました。参考にしてください。

合否の結果は、その日の内にわかります。
知識確認に合格するといよいよ次は実技、技能確認になります。技能確認の日程は知識確認に合格してから予約します。

⑤技能確認の試験

試験は減点方式。試験開始時点100点を保有し試験終了まで70点以上を維持できれば合格

試験場で試験車両に乗って技能確認を行います。70点以上で合格となります。
試験は減点方式で行われます。試験を開始した時点で100点を保有しており試験終了まで70点以上を維持できれば合格です。

多くの外国人材が一発で合格することができません。私が確認した運転免許センターでの合格率は約6%でした。かなり狭き門です。

自動車学校が提供する教習を利用するのもアリ
知識確認の試験は合格できても技能確認の試験で挫折する外国人材も多いです。そんなときは自動車学校の有料の教習を利用して練習できます。45分で約9000円の所や、2時間で約19000円など、自動車学校によって提供している教習メニューが違います。

車両の乗り入れや試験場の場所だけでの提供をしてくれるところもあるので外国人材の要望によって練習場所を選ぶといいでしょう。

16時30分以降であれば運転免許試験場に入場して歩きながら練習を許可してくれる場所もあるます。実際に試験場を歩いて体験しておくと技能確認の試験の合格率をアップさせられます。

最後に費用をまとめておきます。
外国運転免許証の日本語翻訳文の発行手数料3000円(JAF)
受験手数料は2550円
交付手数料は2050円
になります。

実際には、技能確認の試験でなかなか合格ができないので、自動車学校などで自動車を運転して技能確認の試験の練習をして試験に臨むことになります。練習代の費用が高額になる傾向にあるようです。

住所地のある県単位で免許センターは選ぶことになります。大きい免許センターの方が受付から書類審査まで迅速にやってくれます。事前に免許センターに連絡をしてから訪問しましょう。

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