圧倒的1位 賃金、給与
離職理由の圧倒的1位は賃金、給与です。
それも時間当たりの賃金。時給計算してみて分析する必要があります。
がんばる外国人材の背景にある日本と母国の賃金格差
20年前に日本に出稼ぎにきていた中国人材はとてもよく働いたと耳にします。
20年前の中国人材がよく働いた理由は単純です。当時の中国と日本との賃金格差がものすごく差が開いていたからです。
20年前の日本と中国には20倍の賃金格差があったそうです。1日の賃金が1ヶ月の賃金に相当する格差です。そりゃあ節約も我慢もします。2021年現在では日本と外国人材の母国での賃金格差は縮まっています。開いている国でも10倍もありません。
通勤時間の長さ
会社から現場まで行く通勤時間の長さは賃金に反映されません。
外国人材の立場になってみると会社や現場に行くまでの通勤時間はカウントされませんが体は拘束されます。
製造業や加工業など仕事の現場が決まっている職種であればまだいいですが、現場が毎日のように変わる職種は大変です。
代表的なのが建設業です。現場への往復時間は会社としては賃金が発生していない時間、外国人材にとってみれば時給が薄まっていく時間です。
一概にお金の問題と片付けてしまうのは注意が必要です。
投下した時間に対して賃金を時給計算したときに、いくらなのかが重要。
同じ仕事で同じ賃金であれば、賃金が高いところで働きたいのは誰もが同じです。同業種よりも少しでも良い条件が提示できれば人材確保でリードできるかもしれません。
2位 人間関係
賃金の次に離職理由の多いのが職場の人間関係です。
外国人材の出身国によっては、賃金よりも職場の人間関係を重視する外国人材も少なくないです。
人間関係は賃金の次に離職理由でよく聞く大きな問題です。
人間関係は外国人材から見た日本の職場の人間関係と、日本人から見た職場にいる外国人材と両側面から見ると定着のヒントがあるかもしれません。
外国人材からよく聞く問題ある日本人
- 女性ばかりの現場で、意地悪な中高年の女性
- 外国人に対して明らかな差別意識を持つ頭のわるい日本人
- 日本語ができるだけで外国人材をみくだしてしまう残念な若者
いろいろと残念な人物像をよく聞かされますが、逆の日本人側、会社や日本人社員から聞くと、、、
日本企業や日本人社員からよく聞く問題ある外国人材
- 日本語を理解せずに仕事をすすめて人間関係の不和をつくる
- 日本人社員が問題だと認識しているのに危機感を共有していない(認識のズレ)
- 同じミスを繰り返す、注意をしてもしても一向に改善しない
日本側から外国人材の問題を聞くとまったく逆の人物像がうかび上がってきます。
人間関係の不和はささいなことや片一方が気にも留めていないことを原因として始まってるケースがほとんどです。
私も人材に関わる仕事をやる中で注意しているのが、双方からの話を中立の立場で聞き事実の解明につとめること。
まずは現状のただしい認識をすることが課題をあぶりだすことに繋がります。そのうえで問題の再発生を防止する措置をとることが重要だと思います。
外国人材に日本語能力を求めることも必要ですが、
時には正確に状況を把握するために信頼できる通訳の方を通して現状認識することで見えていなかった外国人材の育成課題や社内での問題を発見できることに繋がります。
3位 仕事の内容
「聞いていた仕事の内容と違った」
技能実習生などの外国人材に多いのが
「聞いていた仕事の内容と違った」
エンジニアや就労ビザの外国人材から聞くのは
「仲介会社の人間から聞いた労働環境とぜんぜん違った」
企業の仕事内容が外国人材に正確に届いていないケースもあります。
これは非常に残念な雇用のミスマッチです。事前に仕事の内容をしっかりと外国人材に確認するのは重要です。
日本人にも不人気業種は時間の問題で外国人材にも不人気業種になる
外国人材に人気のある職種は賃金が良くて、人間関係が良好で、そして屋根のある場所での仕事やデスクワークが人気です。外仕事や重労働はやはり敬遠されます。特に顕著なのは建設業界のとび、足場の仕事です。
外国人材を採用する企業の多くは、日本人が求人に応募してこない背景があります。日本人が離れていく業界は、外国人材にとっても同じです。賃金格差が存在するうちは外国人材が採用できても、日本経済の低成長が続き外国人材の母国との賃金格差がなくなると外国人材も採用できなくなる日が来ると思います。